作業療法は、疾患や怪我、加齢による障害が発生したとしても、作業活動をできるようにすることで人々の健康状態や生活の質（QOL）、幸福感の改善をもたらします。 作業活動には日常生活活動のほか、趣味や仕事、遊び、日課、休息等も含まれます。 作業療法の基本目標は、人々が日常の作業をできるようにすることにあります。退院後安心した 生活が営めるよう、入院から退院後の生活を想定した積極的な訓練を重視しています。

早期の病棟歩行訓練と同様に、病棟でのＡＤＬ訓練を早期に実施する事で、病棟内動作の自立が早くなります。当院では入院日より病棟ADLの評価・訓練を実施しています。実際の場所や時間での実施する事が、自宅での習慣化に繋がります。そのため病棟ＡＤＬ訓練にも積極的に取組んでおります。

退院後も役割のある生活を送る為に、主婦役割への復帰や男性の方でも新たな役割の獲得を狙った家事動作訓練を行っています。片手での動作や環境・道具を活かした身体の動かし方などを実際の環境を想定して指導します。

当院に入院される患者様の中には、畑仕事を趣味や仕事とされていた方も多くいます。当院にある畑を使用し、実際に畑仕事の評価や動作指導、道具の工夫などをすることで、動作の獲得を目指します。また、入院中から畑の世話を習慣化することで参加を含めた生活リズムの獲得や収穫の楽しみを得られるなど、QOL向上にも繋がります。

病棟ADL訓練は動作を一連として訓練を実施いたします。その一連動作の中で動作の一部として、心身機能の改善が必要になります。心身機能や基本動作・複合動作を訓練する事で、日常生活活動などの動きを安全に無理なく実施する事を目指します。

脳卒中後遺症として「指は曲げられるが、伸ばすことができない」ということが多くあります。指を伸ばす動作をアシストすることで、コップを掴むなどの動作時に指を伸ばしやすくするための低周波治療器です。手のほか、膝や足首にも使用します。使用に際しては医師またはその他の医療専門家の監視下において実施する必要があります。