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2020年12月定期掲載  言語聴覚療法の紹介~嚥下診療について~

 こんにちは!茨城リハビリテーション病院 リハビリテーション部 言語聴覚士の片岡です。 今回は言語聴覚士の仕事の一つである「飲み込み」に問題を抱えている方への支援についてご紹介します。

<飲み込みにくいと感じたことはありませんか?>
 嚥下障害とは、食べ物を上手に飲み込めない状態のことです。具体的には…食事中にムセる、咳や痰が増えてきた、飲み込みにくい、食べる量が減り痩せてきた、 熱がでる、口の中に食べ物が残る、などが挙げられます。
これらは嚥下障害によくみられる症状です。上手く飲み込めないことにより、誤って食物が気管内 に流入してしまうことがあります。これは「誤嚥」と呼ばれており、肺炎を引き起こす原因となってしまいます。

<当院の嚥下診療>

当院では、嚥下障害を負っている方、または飲み込みに不安を抱えている方を対象に嚥下機能評価を行い、嚥下訓練と具体的な食事内容の指導を行っています。
医師・言語聴覚士・看護師・歯科衛生士・理学療法士・作業療法士・管理栄養士を中心に、多くの専門職が関わることで嚥下障害が重く、治療に苦労されている方 においても、口から食べられるように見通しを立てて関わっています。

<嚥下機能評価とは?どんな検査があるの?>
重要な検査は以下の2つです。

①嚥下造影検査(VF)
レントゲン室でX線を照射しながら行う飲み込みの検査です。バリウムを混ぜた食物を食べることで口から胃へどの ように運ばれていくのかを確認し、 どのタイミングで誤嚥してしまうのかを評価することができます。

②嚥下内視鏡検査(VE)
鼻からファイバースコープ(先端にカメラのついた胃カメラのような細い管)を入れて、喉の構造や動きを直接観察をする検査です。喉にどの程度の食物が残るのか、 気管に食物が侵入していないか等を評価することができます。
嚥下機能検査は年間200件以上実施しております。また、検査の結果により窒息や誤嚥の危険性が高いと判断されることもあります。

<摂食・嚥下リハビリテーションの実際>

摂食・嚥下リハビリテーションを担うのは主に言語聴覚士です。当院は15名の言語聴覚士が在籍しており、365日体制で口から食べることを目標に食の支援・リハビリテーションを提供しております。
 私たちは、専門的な知識と技術に基づいて正確な評価・適            切な訓練を進めていきます。数多くの患者様から学んだ経験            を活かし、食べる喜びを取り戻すためのリハビリテーション            を全力でサポート致します。

<おわりに>
 食べることは日常生活で楽しみの一つです。また、リハビリを行う上で、栄養を適切に摂ることは非常に重要です。
当院では病院全体で、食の支援に取り組んでいます。「ムセる」「うまく食べられない」「肺炎になった」などで嚥下障害が疑われ、 お悩みの患者様・ご家族・医療関係の皆様、どうぞお気軽にお問合せ下さい。😌


執筆 2020年12月1日  茨城リハビリテーション病院  リハビリテーション部